「なぜ同じ時計なのに買取価格に差があるの?」と疑問に感じられる方も多いのではないでしょうか。
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買取店により得意分野がある
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需要と供給バランスが、
ブランドやモデルにより異なる -
利益の出し方が違う
など実は色々な理由があって買取価格は決まります。お店でもよくお話しする事がある質問にお答えしながらご説明させて頂きます。
まず、腕時計専門店のビッグムーンでは、適正な買取価格を常にお客様へご提示できるよう、さまざまな角度から時計を査定しています。さまざまな角度というのは、まず当店が、「お客様に寄り添った腕時計専門店」を目指した小売店であるという事を初めにお伝えさせて頂きます。
腕時計を扱う多種多様な
買取業者、どこにお願いすべき?
腕時計を主に扱う買取業者は年々増え続けておりますが、それぞれお店の形態が違います。
買取業者は、販売も買取も行う小売店、買取のみを行う買取店、質預かりなどを行いつつ買取も行う質店、アパレルや電化製品のリサイクルを主に扱いつつ、時計も買取するリサイクルショップ店など、多種多様なお店の形態があります。
簡単にまとめると、「買取店により、査定する時計にも得意分野があり、買取価格が異なってくる」ということです。
01.リユースショップ
例えば、最近人気のあるスマートウォッチ、若い人を中心に人気な比較的安価なファッションウォッチなどは、どこのお店が一番需要があるかというと、服などを主に扱うリユースショップが断トツで取扱量が多いかと思います。
では、上記のお店が、世界3大ブランドの高級腕時計「パテック・フィリップ」や「オーデマ・ピゲ」「ヴァシュロンコンスタンタン」などを得意として取り扱っているかというと、違ってきます。
場合によっては買取不可と言われてしまう可能性もありそうです。
02.腕時計の買取のみ専門で行うお店(買取専門店)
買取のみ専門で行うお店はどうでしょうか?
買取した商品はどこかで売らないといけません。商売が成り立たないからです。買取のみに特化した専門店もありますが、同一グループ内で名前を変えて販売店を運営していたりします。
しかしながら、主な販売先は業者やオークションへの出品などで利益を出しています。
薄利多売、数多く買取し、利益少なく売る、一見とても良さそうな買取方法ではありますが、一長一短あるもので、ロレックスやオメガなど有名なブランドやモデルは高価買取の雰囲気はありますが、判断が難しいモデル、ヴィンテージモデル、1000万円を超えるようなハイブランドモデルは、査定するのに預かりで時間がかかったり、買取ができない場合もあるようです。買取価格も、オークションで利益を出すのが中心の為、オークションで売買される価格より安く買わないと、仕入れ損になってしまいます。
03.時計を販売しつつ買取をする、当社のような専門店
では、街の中で時計を販売しつつ、買取をする当社のような専門店はどうでしょうか?柔軟に査定ができる「オールラウンダーのプロフェッショナル」なお店です。
小売店は主に一般のお客様に販売するのが中心です。小売店ですので、商売の基本は【仕入】です。【仕入】ができないと販売できません。
仕入した商品をどのようにして販売に繋げるかというと、【時計のメンテナンス】をして【キズの修復】をして【HPなどで商品を紹介】してというのが主な流れです。
例えば当店では【時計のメンテナンス】【傷の修復(仕上げ)】を専門の業者に委託して、常に意見交換をしながら極限までコストカットをしています。最近の時計の修復に関しては、【ライトポリッシュ】という言葉を聞いたことがあると思います。
これは、キズがついている状態をどこまで磨いてキズを目立たなくするかということですが、最近はオリジナルの意匠を保ちたいと考えるお客様が多く、例えキズが残ったとしても、普段使えるレベルまでのような軽い仕上げのみ行い、あえて仕上げは簡単に終えるという手法ですが、コストは少しですが安くできますし、お客様の希望にも沿えるので、今の中心的な流れでもあります。
時計のメンテナンスに関して
当社と買取専門店の違い
【時計のメンテナンス】に関しては小売店と買取専門店と違いはあるのでしょうか?
当店では、買取した商品をそのまま販売するという事は、基本的にはありません。必ず自社と提携先、時にはメーカーで確認をします。
確認とは、機械のコンディションはもちろん、商品に万が一の不整合が無いかなども含まれます。ここも自社努力はもちろん行いますが、小売店の責任もあります。場合によっては高額なメンテナンスでも実施しています。買取業者とは違ってくるところです。
ブランドやモデルによって買取
価格の決まり方に違いはあるの?
01.誰もが知っている有名ブランド
誰もが知っているロレックスやオメガなどの時計ブランドは、ブランドとして圧倒的な知名度があります。テレビでスポーツ中継を眺めていても、時にはアンバサダーであったり、タイムキーパーとして、スポンサーとして、各メーカーのブランド戦略として宣伝しています。知名度は各ブランドにより様々な差があり、その差は時に中古相場の人気と密接に関わってきます。
人気の高いロレックスやオメガのモデルは、どこのお店も取り扱いたい商品なので、買取価格は競って上がります。また買取業者も損得の勘定が計算しやすい時計なので、積極的に高い買取価格が出やすい反面、相場がほぼ決まっているので、価格差がどこもあまりありません。
一番高い価格で買取をお願いするという事では、人気ブランド、モデルの時計であれ
ば、時間と手間は必要ですが、いくつかのお店に足を運んだり電話などで伺って、一
番高い査定金額で売るのは間違いではありません。私たちのお店ももちろん他社に負けないように頑張っています。
では逆に有名ブランドでは無い時計、知る人ぞ知るマニアックな名機、最近発売されたモデル、限定モデルや、有名人が過去に使っていたモデルなどはどうでしょうか?
ロレックスは購入金額よりも査定金額が高くなることもある?
通常、腕時計に限らず、中古のカテゴリーに当たる物品は、新品販売時の「定価」よりお値打ちになることが一般的です。「定価」があり、その下のカテゴリーに「未使用品の価格」、その下に「中古価格」が並びます。
以前から入手困難なモデルは、定価以上の価格で取引されるプレミア価格が存在していましたが、現在のロレックスは、ほとんどのモデルがそれに該当します。
主な理由として2019年末頃から感染症の影響により世界各地の時計工場が操業を継続することが難しくなり、生産量が極端に減りました。また、人・モノの動きが止まり流通量が安定しなかったため、メーカーからの供給も止まり、国内のみならず海外でも取引制限が行われたため、輸入量が大幅に減少しました。
また、SNS等の普及により、ロレックスの資産性について取り上げられる事が多くなった事も重なり、さらに人気や希少価値が上がる事に拍車がかかりました。日本の新品定価に関しては、人件費や原材料の高騰によって上昇する事が、ここ数年で普通の状態になりました。2015年に定価が上がった後、そこから2019年10月までは変わらなかった定価が、近年では2022年1月・9月と値上がりが続き、2023年も1月・9月、2024年1月にも値上がりしています。ここ5年間で8回もの値上げが実施されました。
それでもロレックスを中心とした時計市場では、まだ供給より需要が上回る状況が続き、定価よりも買取査定金額が高い状況が続いています。この状況がいつまで続くかは分かりませんが、ロレックスの価値は上がり続けているのが現状です。
02.有名ブランド以外の時計、最新モデル、限定モデルは?
上記のモデルなどは情報があまりありません。ネットで調べても限られた情報しかでてこないこともしばしばです。
すると、買取価格はお店によってかなりの開きがでてきたり、場合によっては値段がつかなかったということも、実際におきています。
当店でも実際にあった事例ですが、他店で他の時計と合わせて合計30万円の買取価格だった時計が、当店にお持ち込み頂いた時にその中の1つがレアモデルでマニアックな人気モデルと判明し、500万円以上を提示したこともございます。
これほど差が出ることは稀ですが、大袈裟な話ではなく、実際に起きた話です。なぜこんなに差が出たかというと、その時計の知識量に差があり、専門的な査定ができないために起きてしまったのです。
買取価格Q&A
Q.世界限定100本の特別モデルだから買取価格は高いのか?
答えはYESであり、NOです。
考え方は単純です。人気がある限定100本であれば、レアモデルとして評価されていき、高価買取になる場合があります。NOのモデルは、例えば、100本だけ限定生産と言いつつ、元より100本であれば売り切れるし利益を出せるが、1000本作ったら売れ残る可能性もあるモデルも存在したりします。限定だから高く買取ができるかというと不正解で、そのモデルに人気があり需要が高ければ、高く買取できるという訳です。
Q.コンディションや年式により差があるの?
これは実は難しい質問です。
私たち買取店の感覚と市場の感覚はいつも同じではないからです。服装や髪型と同じで、流行はいつも変わってきます。腕時計も、当時は大きくて分厚くて、どちらかというと目立つ時計に人気が集中していた時期があります。その時は小さい時計は人気が低く、需要もありませんでした。さらに過去には、時計のデザインに赤色が入っていたら敬遠されるモデルもありましたが、今ではスーツ姿でも許容されるようになり、大人気モデルと出世して、当時20万円ぐらいだった時計が150万円前後で売買されています。
有名デザイナーがデザインしたモデルでも、雲上モデルになった時計もあれば、安価な値段で売買されているのもあるのが実情です。
Q.どんな腕時計が人気があるの?
査定をする時に、専門の道具を用いて、時計のコンディションを詳しくチェックします。
主にガラスや文字盤、ベゼルやケース、ブレスレットや革ベルトの状態などを細かくチェックしていきます。それはこの後に販売へと繋がる事を考えつつ、一つ一つ確認をしているからです。
例えば、風防ガラスにキズがある場合、どこにキズがあるか、どれぐらい大きいかを判断しています。キズが端にあるのか、目立つ箇所にあるのか、そのまま店頭でご案内ができるか、交換が必要かなどです。ガラスに目立つような大きなキズがなければ交換の必要が無いのでプラス査定になりますし、大きいキズがあると交換が必要になることがありますので、マイナスな評価になります。
ブレスレットはどうでしょうか?当店でお買い求め頂く方は、少しでも良い状態の商品を求めます。使用感があり、伸びやヨレがあると、より中古感が強くなってしまいますので、シャキッとしているモノが好まれます。
機械式時計の心臓部、機械のコンディションはどうでしょうか?長年使っていると、だんだんとスムーズに動かなくなってきて、日差も大きくなります。オーバーホールが必要な時計はメンテナンス料金が高額になる場合がありますので、査定金額に反映されますが、全ての時計にオーバーホールが必要な訳ではありません。部分的な修理で直る場合もあるし、ヴィンテージ商品では故障具合を許容して販売することも中にはございます。よくオーバーホールをしてから査定をお願いした方が良いでしょうか?と聞かれることがありますが、メーカーでメンテナンスをすると、10万円近くすることもあります。その修理代金を査定金額が上回れるかというと、正直難しいので、買取をお考えの際はオーバーホールまではしなくても良いかもしれないので、ご相談ください。